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量子コンピューティングEXPOに向けて②

2024.04.18

量子コンピューティングEXPOで行う予定の、
弊社の展示に向けての事前情報その2です。

量子コンピューティングEXPO

 

量子アニーリングと量子機械学習
今活用する量子コンピュータ!

 現在、量子ビット(qubit)数やエラー訂正などの問題で、量子コンピュータの本格的な実用化は、まだ少し先になってしまうようです。そんな中、ノイズがあり、数年から数十年以内に開発される中規模の量子コンピュータ「Noisy Intermediate-Scale Quantum(NISQ)デバイス」の活用を想定して、「量子アニーリングによる最適化問題:Quantum Approximate Optimization Algorithm (QAOA)の解決」、「量子機械学習:Quantum Machine Learning (QML)」といったアルゴリズムによる古典コンピュータによるHPCシミュレーションの限界を突破する試みが進められています。

量子アニーリングによる最適化問題の解決

 「イジングモデル/QUBOとして定式化し、量子アニーリングマシンで最適な組み合わせを求める」というアニーリング型量子コンピュータの活用です。
 一方、古典コンピュータを用いた疑似(シミュレーテッド)アニーリングや遺伝アルゴリズムによる業務最適化として、一足先に活用しようという取り組みも積極的に行われています。
※QUBO:Quadratic Unconstrained Binary Optimization(2次制約無し2値最適化問題)。
 すべての組み合わせ最適化問題は QUBO やイジングモデルとして定式化することが原理的には可能です。

アニーリングは、最もエネルギー(E)が低くなる解(x)を求めます
出典:NOAH公式サイト
https://noahsi.com/tech/qtc/annealing/

量子機械学習

 広義には、計算過程の一部に何かしらの量子コンピュータによる計算を取り入れた機械学習手法です。現状のノイズあり・小規模な量子コンピュータを部分的に利用し、古典コンピュータと組み合わせて実行する手法です。
 一方、量子コンピュータでの処理部分を古典コンピュータでエミュレーションすることで、古典コンピュータのみで実行することも可能です。「量子回路学習(QCL):ニューラル・ネットワークを量子回路に置き換えた機械学習モデル」などが代表的な取り組みです。

 

注目!

 量子コンピュータの進化を待つ一方で、量子回路(量子アルゴリズム)の研究開発は進めていかなければなりません。クラウドでの量子コンピュータの利用は、環境を占有できず、もどかしい思いをすることも多々あります。各種研究開発や業務利用を想定すると、既存の古典コンピュータ環境で量子コンピュータをエミュレーションする技術も重要です。

● NVIDIA社製GPUを用いて量子回路をシミュレートするためのライブラリとしてはcuQuantumがあります。cuQuantumを利用することで、状態ベクトルおよびテンソルネットワーク手法に基づく量子回路シミュレーションを、古典コンピュータとGPU上で高速に実行することができます。例えばIBM QiskitとcuQuantumの組み合わせなどで利用されています。
[cuQuantum] https://github.com/NVIDIA/cuQuantum

● Qulacsは世界最高クラスの動作速度を持つ汎用の量子回路シミュレータです。
C++/Pythonライブラリであり、変分量子回路やNISQデバイス開発のための「ノイズあり量子ゲート」などを用いたシミュレーションが行うことができ、OpenMP・GPU並列化にも対応しています。GPUの利用にはNVIDIA 社製GPUとCUDA環境が必要です。
[Qulacs] https://docs.qulacs.org/
https://dojo.qulacs.org/ja/latest/notebooks/3.1_Qulacs_tutorial.html

 


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