量子コンピュータと古典コンピュータ(HPC)は、それぞれ得意分野を持つ計算マシンです。そのため、これらを組み合わせて一つのシステムとして連携させ、より高度で複雑な問題に対応できるようにするハイブリッドな利用が有効です。量子古典ハイブリッドシステムとも呼ばれます。
例えば「前処理や後処理をHPCに、特定の計算部分を量子コンピュータに」という使い分けや、「大きな問題を細かく分割し、量子コンピュータで並列に処理した結果をHPCで統合する」などのアプローチがあります。具体的には、変分量子アルゴリズム(VQE)や量子機械学習(QML)など、量子と古典を組み合わせたハイブリッドなプログラムの活用も進んでいます。これらは、量子化学シミュレーションや最適化問題など、従来の計算手法では困難だった分野で特に注目されています。
HPCをお使いの方は、SDKで量子コンピューティング利用も!
今、量子アルゴリズムはHPC環境でシミュレーションして開発することが主流です。
GPUの活用で、量子ビットの動作やハイブリッドな最適化計算を、手元の環境で即座に試すことができます。
CUDA-Q:量子×古典の統合SDK
CUDA-Qは、NVIDIAが提供する量子・古典ハイブリッドプログラミングSDKです。
量子回路の設計・実行・シミュレーションを、C++やPythonから統合的に記述でき、
GPUの活用で、より高速に実行できます。
- ・ CUDA環境上で、GPUにより高速に量子回路を実行
- ・ 量子ハードウェア/シミュレータの両方に対応
- ・ 量子と古典のハイブリッド最適化アルゴリズム(VQE/QAOA)に最適
GPUで量子計算も高速化
永年のHPC構築の実績と最適設計でGPU搭載の各種システムをご提供いたします。
量子コンピューティングの研究開発や活用、機械学習や生成AIのためのシステムも
ご提供しております。
オンプレはもちろん、クラウド利用もぜひご相談ください。
デスクサイドで専有!
強力な計算機環境
大量のデータや長時間処理が
必要な研究開発に
大規模もおまかせ!
幅広い研究開発に対応可能
HPC×量子コンピュータのインフラ
量子古典ハイブリッドの基本構成
量子コンピュータは「台数が少ない」「設置場所を選ぶ」という理由から別の場所に設置してあり、
専用回線で繋ぎ、APIと呼ばれる窓口を使って実行する“閉域接続”と呼ばれる手法が一般的です。
インフラ管理 リソースオーケストレーション
GPUクラスタと量子コンピュータがあるだけでは使うことが難しいので、
コンピューティングリソースのインフラ管理をオーケストレーションとして管理する必要があります。
- ・ コンピュート資源(GPUノード、CPUノード)
- ・ ストレージ資源(データ、中間モデル、量子状態)
- ・ ユーザ環境(Notebook、APIアクセス)
- * ジョブスケジューリングとリソース割当
Kubernetesにおけるノードとストレージ
例えば、Kubernetesのようなオーケストレーションツールを使ってインフラ管理を行います。
Kubernetesでは、高信頼のCPUノードが担うメインノード(コントロールプレーン)がクラスタ全体の管理や制御を行い、
CPU/GPUノードから成るサブノード(ワーカーノード)がジョブを実行します。
複数のサブノードからアクセスできる共有ストレージを利用することで、
データ、モデル、ログを保管し、ノード間で共有可能にします。
どのノードでアプリが動いてもデータを安全かつ一貫して扱える構成を実現しています。